知ったことではない



 ある中国人作家の猫に関するエッセイの中に、すごく印象に残った表現があった。
その部分を紹介すると、次のとおりだ。その人は、ベルリンで一匹の猫を見かけた。

 我忽然発見在柏林墻頭出現了一只猫,很大很有風度,悠悠漫步,一副對人間的事情不以為然的樣子。
  (突然私は、ベルリンの塀の上に一匹の猫を見つけた、とても大きくて風格があり、人間社会の事なんか知ったことではないという様子だった)

不以為然 (bu4 yi3 wei2 ran2)
(辞書によれば)そうとは思わない。正しいと思わない。同意できない。納得できない。

  ここで使った「不以為然 」は、猫の様子を描写しているので、猫が人間のことにたいして「同意できない」もなにもない。だから、筆者は、「知ったことではない」という意味で使っていた。それが、猫のつんとすました感じを連想させ、じつにマッチした表現だと思った。
  ああ、こんな使い方もあるんだなと思ったのだ。辞書の意味にこだわってしまうと、文学的な表現はできないなと。それから、この感性は、やはりネィティブならではないかなと思った。私には、こういう使い方は、思いつかない。
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by keika-ch32 | 2007-05-04 13:49 | 中国語熟語

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