私の秋の養生
2010年 09月 25日今年は、酷暑が続き、9月になっても、夏日のまま、やっと秋分の日を迎えてから、涼しくなった。
秋は、万物が成熟し、実り豊かな収穫の季節。自然界の気は、しだいに内側に収められていき、生命力の躍動は表面から消えていき、いわゆる「陽」が消えていき、「陰」がのびていく。
体の変化は、「肺」の働きが活発になる時期。肺は、全身の動きを調整し、呼吸や水分の代謝をコントロールするが、「潤い」を好むという特徴があり、とてもデリケート。乾燥に弱く、呼吸器系のトラブルのもとになる。
「皇帝内径」では、「早く寝て、早く起きる。心をやすらかにして、陽気をひそめて過ごすべき」とある。
肺の気を整えるとともに、津液を補い、脾胃の調子を整え、冬に備え補益を心がけて便通にも注意する。適切な運動をすることとある。
食べ物では、注意点としては、辛味を控え、甘味、酸味、平性のものがよいとか。早秋は、涼性もいいが、晩秋になると、辛味、温性のものもよい。
野菜、果物にしても、魚にしても、季節のものがよいのは、いうまでもない。
こういう注意点を頭に入れつつ、食生活を考えていこうと思うし、また、「健美操」のほうは、すでに9月から秋のバージョンとなっている。
やはり、「肺」や「脾」や「胃」の径絡を意識した体操になっている。
特に、胸を大きく開いての体操がたくさんとりいれられている。「肺」の機能の強化とのことだ。動きは、簡単で、両手を頭まで持ち上げてV字になる、また、体の両脇から後ろに開く、これらの動きに背骨のねじり運動も入れたりする。
前後左右と、いろいろと動きをアレンジしながら行うが、中には、太極拳の型によく似たものも登場する。そういう動きが、やはり、体にいいのだと知ると、あらためて、太極拳の練習にも熱が入るものだ。
「健美操」も、東洋医学の思想に基づいて考案されたものだから。秋は、大いに、体を動かそう。